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「神代くんって神様はいるって信じてる?」
……これは幼い頃の記憶。
自宅近くの公園で知り合った自分と同年代 の少女にそんなことを聞かれた。
「神様……?」
幼い俺は少女が言う神様がなんなのか分からずに質問に質問で返してしまった。
少女は質問で返されるとは思っていなかったのか少し困った顔を見せた。
しかし、困った顔を見せたのは一瞬のことですぐさま笑顔になり話し始めた。
「うーんとね、神様っていうのはとっても強くて頭も良くてみんなから慕われているすごい人のことなんだよ!」
幼い俺はその少女の勢いに圧倒されながらもなんとか頷く。
少女は俺が納得したのを見ると笑顔を見せる。
しかし、少女の顔は曇ったままだった。
幼い俺が少女の顔を心配そうに見つめると少女は苦笑いをしながら心配ないよ、といった感じで手を振る。
「神様ってね、信じてくれる人もいればそうじゃない人もいるんだ……」
悲しそうな顔でそう語る彼女。
結局神様が何かイマイチ分からなかったが、落ち込んでる彼女を励まそうと幼い俺は少女が喜ぶことを考えた。
「俺は君の言うことを信じるよ!」
幼い俺が気の利いたことを言えるわけもなく、少女が先程まで話していたことを肯定することしか思い浮かばずに気が付けば言葉を発していた。
俺の言葉を聞いた少女は驚いた顔をしながら俺の方を見た。
「ほ、本当に……? 私の事信じてくれるの?」
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