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「あっ、そっか……。 もうそんな時間なんだね」
少女は何か言いたそうな顔をしたが口をつぐんで同じく名残惜しそうな顔をした。
せっかく仲良くなれた少女とこのまま離れ離れになるのは嫌だと思って俺は提案をする。
「また明日もこの時間にこの場所で会おうよ! せっかく仲良くなれたのにこれっきりなんて俺は嫌だよ……」
俺の提案に少女は驚いた顔をしながらも嬉しそうな顔を見せる。
「……うん、そうだね。 私も神代君とまだ話したいな」
少女が自分の提案に乗ってくれたことに嬉しさを隠せなかった俺ははしゃいだ様子で帰路につく。
「それじゃあまた明日会おうね! バイバイ!」
門限が近づいているので手を振ってからすぐさま家に向かって走り出す。
ーー公園で寂しそうに手を振る少女に気付かないまま。
後日少女の姿は公園にはなかった。
時間が合わなかったのか、はたまた用事が入ったのか。
連絡手段を持たない自分には真偽が分からなかったがその次の日、また次の日と公園を訪れても少女が公園に来ることはなかった。
これ以上期待しても無駄だと理解した俺は公園に行くことをやめた。
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