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ピピピ……ピピピ……。
携帯のアラームによって意識が覚醒する。
寝ぼけ眼を擦りながら先程まで見ていた夢を頭の中で反芻する。
(昔の夢を見るなんて……何かが起こる前触れか?)
今まであまり見ることの無かった夢を見たことに違和感を感じながらも学校の準備に取り掛かる。
(そういえば夢に出てきたあの公園……。実家からも近くにあるが今住んでいるこのマンションからもそれなりに近くにあるよな。)
高校生になった時、親父から急にやれと言われた一人暮らし。
急にそんなことを言われても、ついこの間まで中学生だった人間にろくな生活ができる訳もなく一人暮らしに慣れるまでに一年という多大な時間を要した。
(全く……あの親父め。 何が高校生にもなれば立派な男児、独り立ちしてこい、だ。)
心の中で無理やり一人暮らしを決めた親父に悪態をつきながらも着々と学校の準備を進めていく。
準備を進めている最中、未だに携帯のアラームが鳴りっぱなしになっていることに気がつく。
「いっけね。携帯どこいった? 」
しかし、いざ携帯を探し始めるも中々見つからずに手間取ってしまう。
「くそ……、昨日の夜は調べ物をしながら寝落ちしたから定位置に置いていないんだよ……」
グチグチと独り言を呟きながらベッドで携帯を探す。
ベッドを手探りで探している最中、背後から携帯のアラームの音とともに声が聞こえてきた。
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