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「ほら、アンタが探してるのはこれでしょ?」
音と声がする方へ振り向くと、俺の携帯を持ち差し出している状態で立っている少女がいた。
「おぉ、これだこれだ。ありがとな」
少女が差し出した携帯を手に取った瞬間、自身でも驚くほどの俊敏さでバックステップをした。
いきなりバックステップをした俺の行動に目を丸くして驚きながらも少女はその場から動かないでいる。
「だだだだ誰だ、お前!? どうやってこの部屋に入った!?」
あまりにも混乱しすぎて若干早口で噛み噛みになりながらも少女に向けて問いかける。
泥棒にしては時間帯がおかしいし、第一泥棒と呼ぶには少女の見た目が幼すぎた。
少女の見た目は小学生高学年ないし中学生位の見た目をしており、白い長い髪を携えていた。
問い掛けられた少女は、うーんと考える素振りを見せた後に俺の目を見据えてとんでもない事を言い放った。
「私、神様なんだ」
ふふーん、とキマッたなという顔で頷いている少女を尻目に先程少女から返してもらった携帯で警察に電話をかけようとする。
その事に気がついた少女は机の上に置いてあった教科書を投げつけてきた。
「あっぶな!? なにするんだよ!」
ギリギリのところで教科書を避けながら少女に文句を言う。
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