第1章

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「はぁ~」 男はもう一度、ため息を吐いた。 自分は平凡だ。 何か特別な出来事を 期待していた訳では無いが、 何も無いのは それはそれで嫌な感じがする。 別に人生が辛いとか、 そういう訳では無い。 それなりに幸せな人生を 送っているつもりだ。 ただな・・・ 「はぁ~」 それでも、ため息は出てしまう。 これからどうするか? 仕事は終わり、 後は電車に乗って帰宅するだけ。 いつも通りの日常を 繰り返す日々。 「考えても仕方ないか」 男は駅へと歩き出す。 歩きなれた、 代わり映えのしない道のり。 暫く歩き続け、ピタリと止まる。 (・・・ん?) 男の視線の先には 一軒のレストランが有った。 「こんな所に有ったけ?」 代わり映えの無い 道の小さな変化。 ぐ~ 腹の虫がないた。 時計を見ると ちょうど8時を刺している。 「たまには外食も悪くないか」 そう言うと男は目の前の レストランに入った。
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