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先ほどの魂の叫びに反応を見せたのは、三人だった。腰簑をつけたざんばら髪の男と、同じく腰簑をつけたざんばら髪の男と、またもや同じく腰簑だけを身に付けて乳を放り出したまんまの女の子が一人だ。
『慎みを持てぇええええーー!』
「アウッ?!」
「おっ?!」
「ふぎゃっ?!」
思わず叫んでしまった俺は悪くないだろう。いや、悪いのか‥‥?
どうやらこの世界の住人は羞恥心というものがないようで、男も女も上半身裸のままで過ごしている。子供なんかスッパダカだ。生傷が絶えないのも頷ける。
しかし、あれだね。こんなに堂々と乳を放り出されたら、なにも感じないね。むしろ清々しいね。まったくムラムラしないね。あれは隠されているからこそ、感じるものだったんだね。
それはさておき。
俺の声が届く人間が三人いる。三人だけとはいえ、確実にいる。
『俺の時代がキターーー!!』
これでもう孤独な人生──いや、トーテムポール生とはオサラバだ。やっと延々と一人ボケ一人ツッコミをする毎日から解放されるんだ。神メン様、ありがとう!クソ神とか言ってごめんね?!
『は、はじめまして異世界の皆さん!俺はトーテムポールでっす!』
俺はドキドキしながら自己紹介をした。そりゃあもう、希望とやる気に満ち溢れた新入社員のように、キラキラエフェクトを振りまきながら挨拶をした。最高に初々しい挨拶だったと思う。
しかし──、
「あうあうっ?!」
「ンババっ!」
「アィヤァアアアアー?!」
そもそもこいつら、言語というものを持っていなかったんだった。
『あんのクソ神がぁああああ~~!!』
俺のやる気と希望を返せ!期待させやがって!
声が聞こえても会話が成立しないんじゃあ意味がない。孤独なのと変わらないじゃないか。
それに意思の疎通がはかれないと、知識を授けて文明を発展させる事も出来ないぞ。やっぱりあのクソ神は肝心なところで抜けてやがる‥‥!
しかし、だからといってこのまま何もしないという選択肢はない。だってコミュニケーションがはかれないとはいえ、一生空気のように扱われるよりはマシだからだ。
とにかくこの時の俺は他人との触れ合いというものに飢えていた。そして無謀な挑戦を始めるのだった。
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