原始人に文明を伝えようと頑張ってみた話

4/4
前へ
/4ページ
次へ
どーも、トーテムポールです。 突然ですが、今から徒然なるままに日暮らし硯にむかひて心に移り行くよしなしことをそこはかとなく書き綴らせていたただこうかと思います。 あれから半年が経ちました。 俺の声を聞き取る事が出来る男原始人AとB。さらに女原始人を発見してから、彼らに言語を教えるという無謀な挑戦をはじめて半年ばかりが経ちました。 正直、声は聞こえても言語を持たない彼らに、意思を伝えるというのがこれほど困難だとは思ってもみませんでした。 とりあえず俺は彼らが正確の行動をとった時は優しく褒める。不正解の時はシャウトする、という言動を繰り返しました。犬をしつける時のようにオーバーに、分かりやすく、根気よく続けました。 その結果、俺が燃えました。 燃え上がりました、物理的に。 現在進行形で燃えてます。 今とっても物狂おしい気持ちでいっぱいです。 『なんでやねぇえええええーーん?!』 彼らに火のおこし方を教えた事が悔やまれます。 言葉の概念を持たない彼らにそれを教える事は不可能だと悟った俺は、行動を介して間接的に伝える事にしてみました。 彼らが木の棒を持った時には褒める、木の板を持った時に褒める。それを擦り合わせる動作を行った時には、それはもう大袈裟なくらいに褒めまくりました。 そして燃えたんです。 「メラッ!メラッ!」 「ボー!ボー!」 「メラッサ!メラッサ!」 『踊るなぁあああ~~!!』 きゃつらに悪気がないのは分かっている。たぶん、上手に火を着けられたから見せに来ただけだろうし。それに燃え盛る火が珍しいのもあるだろう。 だが、しかし! 『俺まで燃やされるとは予想GAY?!』 あぁ、燃える。燃え尽きちゃう!こんな終わりかたってアリかよ?!俺がなにしたって言うんだ?! 徐々に炭化して行く体を見て、俺は心底神を呪った。 どうしてこうなった?!
/4ページ

最初のコメントを投稿しよう!

5人が本棚に入れています
本棚に追加