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熱や煙は上へと向かう。
階段を降りた地下階は、1階と較べると幾らかマシだった。
いやマシな気がした、か。
ボヤでも出火したのだろう、店の奥からも煙がこもり始めている。
これはいよいよウカウカしていられない。
ガシャーン!!
地下フロアの奥の方で什器が倒れる音がする。
あっちか?音を頼りに追従する。
すると、前方の倒れ掛かっていた棚を蹴り倒して、さっきの何者かが現れた。
少女を腕に抱いている。杏奈だった。
「杏奈ーッ!」
ボクは駆け寄る。
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