vision

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そして、ボクはvisionから覚めた。 今回は、選択肢に正しい答えなんかないんじゃないのか? たった今視覚感知した以外のフロアーに移動するというのも一つの選択肢だよな。 そうも思ったが、いや待てよ。よくよく考えたら、ここは日本だぞ。 もしかしたらあの兵士達は、ボク達を助けてくれるのかも知れない。 そう思い直したボクは、自分の能力を信じることにした。 「そこのオマエ、動くな!動くと容赦なく撃つゾ!」 ↑そして、いまココ。 やっぱり無数のレーザー照準光が、ボクのドキドキしている心臓を完璧に捉えている。 浅はかな自分の考えと、使えない自分の能力を恨む。 こんな物騒な連中を前にして、頼まれたって動く訳がない。 「よーし、静かに両手を上げて、頭の上に乗せろ!」 言われた通り、両手を上げた所、ドサッと杏奈がボクの背中からズリ落ちた。当然だ。 ズギューン! 本当に容赦なく撃ち放たれた弾丸が、ボクの直ぐ足元で跳弾する。 「アイタ~。どこココ?」 タイミングの悪いところで杏奈が目を覚ました。 「あれ・・・長崎?さっき別れなかったっけ?」 「よっ、実はさ…」 「勝手に話すんじゃない!」 さっきの隊長格にどやしつけられる。 「なによー男子ィ!あんた達勝手にあたしをサバゲーなんかに巻き込まないでよねー!」 「バカ、サバゲーなんかじゃ…」 「黙れと言っとるんだ!」 隊長格がもはやキレ気味に怒鳴る。 「なによ…」 「杏奈…本物だ!」 ボクが囁く。 「本物?」 ズギューン! 「ひっ!」 また足元に威嚇の1発。でもさっきよりずっと近くで跳ねる。 「貴様ら、口で言っても分からんかー!?」 「喋りません!」 仕方なくボクが降参する。 まぁ、元々ボクは降参してたけどね。
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