3人が本棚に入れています
本棚に追加
「やはりここは、古き良き伝統的な“おれたたEND”で締めるのが無難なのではないでしょうか?」
まず最初に、タキジリンが意見を出した。
「“俺たちの闘いはこれからだ!”ってやつか……。確かに無難だが……」
「四天王を一人倒したところで、次の大陸を目指して、夕日を背に走り出せば、一応綺麗にまとまりますよ」
タキジリンの意見は一理あったが、カイヌとサルーニャは微妙な面持ちだ。どうやら、タキジリンの意見があまり気に入らなかったようである。
「そうだ。ここはサイアクダの意見を聞いてみましょう」
タキジリンが提案した。
「確かに。今まで空気だったけど、一応サイアクダがリーダーだしな」
「サイアクダは、おれたたENDで良いと思うだか?」
「最悪だ…この世の終わりだ…」
「そこまで強く否定しなくてもいいじゃないですか……」
自分の意見をサイアクダに全否定されたタキジリンは、落ち込んでしまった。
するとサイアクダは、誤解だといわんばかりに、首をブンブン振り始めた。
「タキジリン、なんか違うみたいだぞ」
「そういえば、“最悪だ…この世の終わりだ…”以外は喋れないのでしたね」
「ええい、ややこしい! そうだ、これからは、YESのときは“最悪だ…”、NOのときは“この世の終わりだ…”と答えることにしよう。わかったか、サイアクダ」
「最悪だ…」
「……それは、YESと受け取っていいんだよな?」
サイアクダは、こくこくとうなずいた。どうやら、合言葉を決めたところで、ややこしさは解消されないようである。
「話を戻しましょう。サイアクダ、あなたは、おれたたENDに賛成ですか?」
タキジリンが、再び尋ねた。
「この世の終わりだ…」
「ええっと、これは、どっちなんでしたっけ?」
「NOの方だ」
「語感からも、凄く嫌そうな雰囲気が伝わってくるだな」
事実、サイアクダは、おれたたENDに対してかなり微妙な表情をしていた。
「まあ、そうだよな。台詞が“最悪だ…この世の終わりだ…”しかないまま終わるなんて……」
「あまりにも可哀想ですよね……」
「んだな……」
三人の戦士たちも、さすがにサイアクダに対して同情したようである。
最初のコメントを投稿しよう!