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???「あ~~‥‥‥‥‥‥‥‥あぁ」
眩しい。眠い。腹かゆい。
朝目覚めた時俺がいつも思うことがその三つだ。
普通は眠い。それだけだろう。
けど俺は違う。
???「お兄ちゃん!ほら起きる!ほら起きるぅ!!」
俺の朝は妹の第一声と窓から差し込む日の光を浴びて始まる。
眩しい眩しい。
ほぅら眩しい。
絶対最初にカーテン開けるんだうちの妹は。
???「お兄ちゃんは今日もだらけて!私がいないとまともに起きれないよね!?」
颯爽と俺の視界の前に現れその長い艶のある黒髪を見せびらかすように揺らすのは妹のアヤカだ。毎朝毎朝断りもなく部屋に侵入してきては大声を上げて俺の眠りを一瞬で絶ちきってくる。
まさに人間目覚まし時計だ。
???「いいだろ別に‥‥‥‥‥どうせお前が学校いくついでにやることなんだから‥‥‥‥‥嫌なら起こさなくたっていいのにさ」
アヤカ「ダメですぅ!そういうこと言われると逆にやる気出ちゃいますぅ!残念でしたぁ!!」
朝からなんといううざさだ俺の妹は。
アヤカ「では葉月アヤカはこれにて任務を終了し学校へ行ってきます隊長!」
アヤカは俺から掛け布団を強引に奪いさるとビシッと敬礼をし、軍人の真似事をしながら部屋を後にした。
???「‥‥‥‥‥‥‥‥‥あぁ」
俺は覚めきらない目をこすりながらベッドの傍らに倒れている自身の目覚まし時計(目覚まし機能は使ったことがない)を手に取り時間を確認する。
8時過ぎ。
妹のアヤカは学校の時間だ。
しかし兄の俺は大きなあくびをついて再び眠りにつく。
高校を中退したこの葉月ハル(18)にとって朝は寝る時間に過ぎない。
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