51人が本棚に入れています
本棚に追加
???「そんなハルくんに~耳寄りな情報がありま~す」
俺の耳に届くか届かないかギリギリの妙にふわふわした声が響いたと同時、俺の部屋のドアからすっと顔を覗かせたのは母のカオリ。
二児の母とは思えぬその若々しく整った顔立ちと、妙にふわふわとしたこのマスコットのような雰囲気のせいで周りからは「カオリたん」と呼ばれているらしい。
もういい歳だろうに。
カオリ「んふ。ハルくん今余計なこと考えてたでしょう~?」
いつもニコニコ笑顔を崩さない母さんだが、妙に勘が鋭く、時折見せる笑顔で隠した憤怒の表情はこの世の何よりも恐ろしい。
ハル「別に何も考えてないって‥‥‥‥‥‥それで?何だよ急にノックもせずに」
カオリ「だから~。アホみたいに面白いこと、母さん知ってるのよ~?」
ハル「新しい高校の話なら聞かねーぞ?悪いけどどこ行ったって同じだ」
カオリ「高校の話じゃないわ~。青春のお話」
青春て。
ハル「あのな母さん。俺が一度だって学校で青春してた記憶あるか?積極的に行事とかには参加したけど、どれもこれも心は満たされない。彼女も出来ない、友達も最低限の絡みだけ。そんな俺に学校を勧めるだけ学費の無駄ってもんだ。ま、安心してくれよ。きちんと将来職にはついて何とか金は‥‥‥‥‥‥」
カオリ「毎度毎度解説はありがたいけどそんなどうでもいいこと私は気にしてないの」
どうでもいいってあんた‥‥‥‥‥‥。
最初のコメントを投稿しよう!