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カオリ「母さんね。ハルくんが父さんみたいな熱い心を持ってる熱血な男ってことぐらい知ってるのよ?でも熱すぎて熱すぎて、周囲の皆はそれについていけないだけだと思うの。学校だってそうね。ハルくんの熱くたぎる気持ちを満たしてくれる所なんて、きっとそうそう無いんだわ」
何を持って母さんは俺を熱い男と定義付けているかは分からないが、もしも母さんの言っていることが正しいのなら、きっとそういうことなのかもしれない。
周りと波長が合わないというか、孤立していたわけでも蔑まされていたわけでもないのに妙に距離があったというか‥‥‥‥‥‥言葉では表しにくい何かがあったのは確かだ。
カオリ「ハルくんには、もっとハルくんに適した場所があると思ってね?実は知り合いが営んでるすんごーい面白い所があるんだけど、そこで暮らしてみない?」
唐突すぎるし内容に全く要領を得てないんだが?
ハル「おい、待て待て。何がすんごーいだよ。しかも暮らすって何だよ?」
カオリ「ハルくんどうせここで毎日グダグダ過ごしててもつまらないでしょう~?だから、ハルくんが輝ける素敵な世界へ連れてってあげるって話!」
母さんは昔から嘘をつかない。
ついたとしても一瞬でバレるようなものばかりだ。
だからこそ、真に俺のことを考えて言ってくれている言葉なのだろう。
母親にそこまでさせて考えもせずに断るというのは、さすがに俺の良心が許さない。
ハル「分かった、分かったよ。とりあえずどんなとこなんだ?そのすんごーい所は?」
カオリ「知らな~い」
おぉっとまさかの前言撤回かぁ!?
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