第1章

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「藤川ちょっと来てくれ!」 この声は同期の山中。 「これ何て書いてあるかわかるか?」 渡されたのは1枚の紙。 「何これ」 「今朝犯人から送られてきたんだ」 「…なんだこれ」 紙は印刷されたものでこう書いてあった。 【みちきちのなかいかちみらとくににらみにきらののらみらくちまにもちすしち】 「意味わかんねぇだろ」 「暗号…だろうな」 あの人が考えることだ。 そこまで難しい暗号ではないだろう。 解き方がわかれば後は簡単なはずだ。 でもどうやって…? …わからない。 「ちょっとその紙貸してください!」 「何かわかったか?キツネ君」 彼は俺らの後輩、三嶋。 通称キツネ君。 ずばぬけた嗅覚を持ってるためそう呼ばれるようになった。 「この紙、潮の匂いがします」 「潮…?」 「はい、おそらく海の近くかと…」 俺は先輩との電話を思い出した。 そういえば少し波の音が聞こえた…気がする。
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