2人が本棚に入れています
本棚に追加
最悪だ…この世の終わりだ…。
まさかこんな日に寝坊するなんて。
昨日の接待で飲み過ぎたのがいけなかった。
今日に響くからと、少し遠慮すれば良かった。
今日は大事な商談がある日だ。
これが成功すれば、昇進も夢じゃない。
それほど大きな契約だった。
先方との約束は9時、今は10時。
駄目だ、もう許される時間じゃない。
首は確実だ。
思い返せば、俺はいつも大事な場面で失敗してきた。
中学時代、好きな子に告白しようとしたら、間違えて違う子に告白したり、高校受験の日、バスに乗り遅れて失敗。
大学受験の時も風邪を引いて、本命を逃した。
滑り止めの大学を卒業し、やっと受かった就職先だったのに。
まさか、寝坊1つで全てがパーになるとは…。
ジリリリリ…
目覚ましの音がけたたましく鳴った。
俺は目覚ましを止めると、それを顔に持ってきて時間を確認した。
針は7時を指している。
あ………夢だった……。
最初のコメントを投稿しよう!