第1章

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最悪だ…この世の終わりだ…。 まさかこんな日に寝坊するなんて。 昨日の接待で飲み過ぎたのがいけなかった。 今日に響くからと、少し遠慮すれば良かった。 今日は大事な商談がある日だ。 これが成功すれば、昇進も夢じゃない。 それほど大きな契約だった。 先方との約束は9時、今は10時。 駄目だ、もう許される時間じゃない。 首は確実だ。 思い返せば、俺はいつも大事な場面で失敗してきた。 中学時代、好きな子に告白しようとしたら、間違えて違う子に告白したり、高校受験の日、バスに乗り遅れて失敗。 大学受験の時も風邪を引いて、本命を逃した。 滑り止めの大学を卒業し、やっと受かった就職先だったのに。 まさか、寝坊1つで全てがパーになるとは…。 ジリリリリ… 目覚ましの音がけたたましく鳴った。 俺は目覚ましを止めると、それを顔に持ってきて時間を確認した。 針は7時を指している。 あ………夢だった……。
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