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「待って!」
琉斗は軽トラに乗り込もうとした時、先程の女子高生に呼び止められた。
「私も連れていって…お願い…」
琉斗は車を発進させると事務所の入口に車をつける。
「乗りな」
女子高生は頷き助手席に乗り込んだ。
「まず確認しておくが…もうこの街には戻って来ないぞ?次来るのは騒動が治まってからだ」
女子高生は頷く。
「そうか…。家族は?」
「隣の県のA市に住んでる。通学してるけど今日は行事の振替休日になってて、昨日は友達の家…に…」
そこまで言うと膝を抱え、膝におでこをつける。
「ばか…スカートの中見えるぞ…」
車を降り荷台のケースの中からジャージを取り出すと女子高生に渡した。
「ブカブカだろうけど着てろ。ないよりはましだ」
女子高生は受けとり上から重ねて着る。
「俺もA市に向かうつもりだ。あんた、運がよかったな」
「美妃…私の名前です。それに運は最悪でした…」
「まぁ、みんなそうか…。とりあえず向かうからな」
軽トラを走らせる。
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