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街を抜け郊外へ出ると、ゾンビの姿は少なくなった。 「…ったく、何が原因でここまで広がったんだ…昨日の夜までは何も…」 「…ありました」 「何が?」 「昨日の夜、友達が急に襲ってきたんです…。数人でその子の家に泊まって…二人が夜中に呻き出して…息をしなくなって…私達パニックになって…でも、突然抱きついていた友達の腕に噛みついて…その後、残りの友達とにげました」 「で、派手に転んだんだ」 「はい…朝、大量のゾンビに遭遇して一緒に逃げてた友達に見放されたんです…」 「なるほどね…。一つ言っておくが、もし俺がケガしたり囲まれたりしていても、助けようとか思うなよ。その時は一人で逃げろ」 美妃は驚いた顔で琉斗を見る。 「何で…。あの子達と同じに…」 「いいか?俺達は生きる為に動いているんだ。生きる為には犠牲を払う必要もある。こういう時はリスクを減らすことを考えて行動した方がいい」 「私…私にはわかりません…わかりたくもありません。ごめんねって言われて遠ざかっていく姿が…」 琉斗は美妃の頭をワシャワシャと撫でる。 「美妃ちゃんがそんなになってたら助けてやるさ」 「なんか…おかしくないですか?」 「ぜんぜん。助ける力があるやつはいいんだよ」 「自衛隊か警察ですか?」 「いや。K工業大の学生」
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