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「ふふっ。よく私達の学校の女子にナンパしてくるところですね」
「まぁな。男女の比率が悪いんだ…。てかやっと笑ったな」
「…そうですね。工業大の人だから色々詳しいんですね」
「マニアックなだけ。まぁ、こういう時にインテリな奴等よりは生き残る術を知っているにすぎないだけさ」
再び市街地に入る。この街を抜け山一つ越えればA市に着く。その時一体のゾンビが横道から飛び出し助手席側にぶつかる。
「キャッ!?」
フロントガラスに蜘蛛の巣状のひびが入る。
「ちっ…。そろそろかえどきかな」
「えっ?」
「もともとこんな車じゃ逃げ切れはしない。何もなければいいが今のようなことがあったら車がもたない。まぁその為に軽油を持ってきたんだが」
車を停めエンジンを切り、琉斗は携帯を操作し始めた。
「静かにな」
美妃は目の前20メートルを通り過ぎてくゾンビに震えた。
ふと目線を下げると、手書きで「マル秘本」とかかれたノートが目につき手に取る。
「…よし…この近くに…って!!それ見るなよ…。ちゃんとマル秘本って書いてあるだろ」
車を走らせ愚痴をこぼす。
「こんなことが起こるって予想してたんですか?」
「いや、暇潰しに一年前に想像してただけだ。でもそれに沿って行動してたからこうやって美妃ちゃんを拾ったって訳だから、それに感謝しろよ」
「生きて帰れたら感謝しますね。それでどこに向かうんですか?」
「工業建機のレンタルやリースをするところ」
「はい?」
「めぼしいのがそこにあってな」
「でも、運転できるんですか?」
「ほら」
琉斗は運転免許証を見せる。
「大型特殊も取ってるから、そこは大丈夫。ただ窃盗にはなるが…」
「生き残る為ですから」
「まぁね」
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