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 正太郎は、かくれんぼが下手だな。くくっと笑い声を飲み込む。 「ショウ、見つけた!」  いつも物音を立てるし、着物が見えている。  緩む口元を隠し駆け寄る。 「また、僕の勝ち! すごいだろ?」  嬉しくて首に腕を回し抱きついてしまうと後ろで括られた柔らかい髪が乱れた。柔らかい触り心地の良い髪をわざと指に絡める。  もっと触れていたい 「また、負けた。直は重くなったな。小さかったのにもう抱き上げれないよ。」  嬉しそうな顔で嫌な事、言うなよ。ずっと抱き締めていて欲しいんだ……  なんて……言えない。  もうお天道様が昇りきった頃、 「若様、やはり此処でしたか。もう皆に気づかれます。  正太郎殿、毎度申し訳ない。」 「いえ、城へ連れていかず、私こそ申し訳ございません。」
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