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「鷹が二羽飛んでいたから、少しだけ羨ましく思っていた。気持ち良さそうだ。」    空を仰ぎ目を細める正太郎はとても美しい。  此所が小さな国で良かった。身分が違っても目に写る空は同じだから。でも…… 「元気がない?」 「いや…… 聞いたよ。親方様の名君を。一揆とは無縁の平和な国で良かったと皆口々に話す。直もその場にいたんだろう? 皆、直もその優しさを受け継ぎ立派な城主になるだろうと期待している。俺たちの生活を守ってくれてありがとう。」  少しだけ寂しそうに話しているせいで、悲しさが募る。皆の期待など二の次だよ。できることならば正太郎と同じ場所にいたいんだ。    ……でも立場は分かってるつもりだ 「父は立派だ、僕も頑張らないと。民の生活が苦しくなることは絶対に避けなければいけないんだ。」  正太郎の為に…… 正太郎が暮らしやすい国でなければ。力強く言い正太郎が明るくなるように努める。  ずっと…… 僕に笑顔を見せて……  目を見開き頑張れよ、と微笑んだ正太郎の顔が優しくて顔が赤くなる。  ずっと幼い頃よりお慕いしていますと口にしたらその笑顔はどうなることか……
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