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 国に戻り隠居した父と側近たちのみで話し合いをした。 「山永様の命に背くことはできぬ……」  苦しい表情を皆浮かべながら沈黙を破る。 「分かっております。こんな辺鄙な大した特産もなく、税の取立ても悪い収穫の見込みの少ない土地と今まで見向きもされないようにはしていましたが、限界のようです。きっと娘が山永様との密偵になり国の内部を探るでしょう。時代は国取合戦へと変わりつつあります。」 「光頼よ、山永様は見た目は悪いし、農家へも厳しいが国を守る為だ。決して安易な考えで行動される方ではなく、機知に富んだ方であるぞ。」  暗い雰囲気のまま、部屋を後にして床に就いた。時代が動くとき戦は止められない。この力無い平和な国がどうなるのか……  正室など要らぬという想いが、まだ見ぬ姫を遠ざけろと心に影をおとす。  気持ちは落ちても、朝を待たずに足は正太郎の元へと向かう。自分ではどうしようもない現状を八つ当たりすると、正太郎が怯えていた。  俺は城主だ。俺がしっかりしなければ…… 「泣くな……」  想い慕う者の涙に触れれば胸が高鳴る。身分も身長も高くなってしまった。もう抱き締めてもらうのではなく、その綺麗に整った細身の身体を抱き締めたいと腕が疼く。  強く在らねば
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