第3章 サヲシカと共に

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やがて、白鹿は明日香の胸元に自分の顔を潜らせる。 そして、鹿の刻印を見つけると舐め始めた。 明日香は、白鹿に胸を舐められてくすぐったくて、払いのけようとしたのだが 白鹿にあらがう事が出来ない。 何故と思いながらも明日香は、白鹿になされるままだった。 白鹿に舐められた刻印は段々と熱を持ち始めていた。 そして、温かい温もりで明日香を包み始めていた。 明日香は、その心地よさに思わず、白鹿の頭を両手で抱きしめていた。 そして「あなたは一体・・・」と白鹿の耳元で囁く。 抱きしめられた白鹿は、耳をピクピクさせて段々とその姿を変えていく。 やがて人の姿になった白鹿の、その姿を見て明日香は驚きの声を上げるのを必死でこらえた。 両親がいる事を思い出したのだ。 「明日香、やっと探し出すことが出来た。愛している。そなたに逢いに春日の杜よりここまでやってきた」と明日香の耳元で囁く。 その青年は銀色の髪に銀色の瞳をしたサヲシカだった。
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