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ばばちゃんは、ぼくのママのおばあちゃん
腰がひらがなの「つ」みたいに曲がってる
ぼくが、遊びにいくとしわしわの顔をもっとしわしわにして
「よぐきたな~」って笑う
そして「どんきおもぐなったべな~」っていいながらぼくをだっこしようとするけど「重くてだがいねな~」という
ばばちゃんは、たまにぼくのほっぺに『ぶ~っ』とやる
ほっぺに口をつけて『ぶ~っ』とやる
ぼくは、ちょっといやだなって思うけどばばちゃんがしわしわの顔でニコニコしてるし、ママも、ママのママ(ぼくのおばあちゃん)も、ママのパパ(ぼくのおじいちゃん)も、みんなニコニコしてるから、まあいいかって思っちゃう
ばばちゃんは、コーヒーが大好き
お砂糖とミルクがたくさん入ったコーヒーが大好きでおやつの時間によく飲んでる
そして「コーヒーおいしいうちはまだまだ死ないねな~」って笑ってた
ある日ぼくが遊びにいったらばばちゃんがいなかった
ママに「ばばちゃんは?」ってきいたら
ママが「ばばちゃん具合が悪くて病院にいるの」って言った
ぼくは「ふーん そっか」って思った
それからしばらくしてママが「今日ばばちゃんに会いに行くよ」って言った
ママは、ばばちゃんの家に行く途中ばばちゃんが死んじゃったことをぼくに教えてくれた
ばばちゃんの家にいったらぼくの知らない大人の人がたくさんいた
ママが「ママの伯父さんや叔母さん達だよ」って教えてくれた
ばばちゃんは奥の部屋で布団にねてた
顔に白い布をかぶって
ママは少し泣いていた
まわりの大人の人も泣いていた
ぼくもなんだか悲しい気持ちになった
それから『葬儀屋さん』っていう人がばばちゃんの写真を持ってきた
写真のばばちゃんは、しわしわの顔をもっとしわしわにして笑ってた
ばばちゃんの写真は、ばばちゃんの家の奥の部屋に飾ってある
ばばちゃんの写真の隣には、ぼくのしらないおじいちゃんの写真が2枚ある
ママが「ママのおじいさんと、伯父さんだよ」って教えてくれた
今でもぼくはばばちゃんの家に遊びに行く
そして「ばばちゃんきたよ」って鐘を『ち~ん』って鳴らしてからおやつをもらう
たまにイタズラして鐘を何度も鳴らすとママに「ばばちゃんうるさいって言ってるよ」って怒られるけど写真のばばちゃんは、しわしわの顔でぼくのこと笑ってみてるんだ
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