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霊感地雷原
物心ついた頃から、自分に霊感があることを自覚している。
といっても、いつでもどこでも幽霊を見るという訳ではない。俺の霊感はかなり特殊なもので、自分が立っている場所から半径一メートル以内に死体が埋まっていると、その亡骸の姿が見えるというものだ。
幸いにも、見える幽霊は生前の姿のようだけれど、だとしても、空中にぼやーっと人の姿が浮かんでいる光景は怖い。
だから、墓場とかかつて戦場だったとか、ともかく、人が埋葬されている可能性が高い場所には近寄らないようにしていた。
そんな俺が、親の転勤で引っ越すことになった。
親は俺の霊感のことを理解してくれているので、引っ越し前にその土地へ行き、新しく住む家や近所などを歩くことで、異常がないことを確認させてくれた。
でもまさか、こんな落とし穴があったとは。
転校先の学校の至る所に、うじゃうじゃ見える幽霊達。
この土地は墓場でもかつての戦場でも被災地でも何でもないが、学校が建つ前、大昔に近くで大規模な事故が起き、その際、病院へ搬入待ちの被害者達が一時身を寄せていた場所だったのだ。
そういう話こそ、常にはチェックしまくるんだけど、事故の原因が土地の権力者の不始末とかで、この辺りの人はほとんどこの件を語らないそうだ。
何も知らず転校してきてしまった俺は、現在、歩けば幽霊を発見するという生活を送っている。
長年見てても慣れるもんじゃないからな。学校に来ること自体、地雷原を歩いてるようなものだ。
転校してきたばかりだけど…いやむしろ、ろくに知り合いもいない今の方が気が楽だから、一日も早い、別の学校への編入を検討している。
霊感地雷原…完
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