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それからもあれやりたいこれやりたいなどユキに連れ回されて気がつけばもう日が沈もうとしていた
屠自古「はぁ…買うもん買ったし帰るぞ、ユキ」
ユキ「……」
屠自古の呼びかけに返事はなかった
屠自古「おい、ユキ」
どうしたものかと屠自古がユキに近づくと
ユキ「ZZZ」
寝てやがる、コイツ
屠自古「・・・・・・・・・・・・・・・・・・どこまで迷惑かければ気がすむんだこいつは」
ユキ「・・・・・・・・・・・・・・・・・・う?」
屠自古「あ、起きたか。帰るぞ」
そういうとユキは無言で抱っこしてのポーズをした
屠自古「はいはい……ほら」
屠自古がしゃがむと背中に暖かくて柔らかい感触が伝わってきた、立ち上がり歩き出す。眼前に見えるのは暗闇の中の転々とした灯火と少数の人間、耳に入ってくるのは微かな喋り声と風のなびく音、自分の足音そして静かな寝息。昼間、いろんな意味で騒がしかった人里はなりを潜め、眠りにつこうとしていた。屠自古にとってこの時間は嫌いじゃない。静かになると心が安らぐ、辛いことも慰めてくれるような気がする、今日は一段と疲れた分静寂の一時が長く感じられた。しかし、今は早く帰らなんければならない。飯を作れるのは私しかいないのだ、あと掃除洗濯……私完全にオカンだな。まぁ…それもあるけど後ろのコイツを持ち続けるのも疲れるし、別に重たかはないけど、考えるのはやめよう、こういう時はボゥっと歩くのが一番いい
*
屠自古「ただいまぁ」
青娥「おかえりなさいませ。お風呂にします?ご飯にします?それとも…」
屠自古「何言ってんだあんたは……って、飯あんの?」
青娥「はい、私も少々足し萎えていますから」
初めて聞いたぞ、おい。今度から手伝えよなホントに。
屠自古「じゃあ風呂でいいよ。コイツ・・・ユキ渡すぞ」
青娥「せっかくだし一緒に入ればよろしいのに」
屠自古「風呂でも面倒みれってか」
青娥「もう全員入りましたよ?」
屠自古「……ほらユキ、風呂入るぞ」
ユキ「うー・・・何?」
屠自古「風呂だよ風呂、行くぞ」
屠自古はユキを抱っこしたまま風呂場へと向かった
青娥「随分と仲良くなられましたね、ウフフ」
屠自古「うっせぇ」
つーか、どこ見てそう思うんだよ
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