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「幻なのかな?雪?」
空から真っ直ぐにゆっくりと降りてくるのは純白の雪みたいなものだった。
「光りが雪の形になっているんだ。君の想像と願いはあやふやなんだね。」
そんな幸せそうな顔をして喋る天使に僕は恥ずかしさを感じた。
なぜなら天使は僕の頭の上にいて、恐らくは空を見上げているだろうと天使の顔もみずに感じてしまっていたからだ。
「温かい雪の光り。」
触ろうとも掴もうともしなくても空から落ちてくる純白は人肌のような温かさを感じた。
「君は純粋だからだよ。」
僕の心に小さな宇宙があれば充分ではないか。僕は無欲ではなく色々と望むからこそ今のこの光景がとても心地好い。
「独り占めは無理か…残念だ。」
残念だとは思っているが本当に残念だとは想ってはいない僕。
「月が帰れば最後に残るお星様に君はなんて伝えるの?」
気持ち?考えなくても1つの言葉しか思いつかないしそれを凄く伝えたい気分なんだ。
僕はありったけの空気を吸い込み
「ありがとう。」
普通よりも少し大きな声で海に空に天使に聞こえるように心を言葉に変えて伝えた。
「最高だ…この世の終わりだ…」
天使と景色が黒になり横一線に赤が光ると黒は上下に開いていき光りが世界の始まりを僕に伝えた。
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