ゾンビ愛

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え?何やってんの私っ。 あぁ…でもダメ、このまま、ずっと噛んでいたい…。 …ダメだっ。もう思いっきり、いっちゃぇ。 ブチィィ…… ブシュ――――ッ 優志の首から、血が噴き出た。 私は力余って、彼の首の一部を 咬み千切ってしまった…。 「な、…何を……」 優志は、私を見つめながら倒れていく。 どうしたの?優志?あれっ?? 何がどうなって…。 私は自分の机の上にある小さな鏡を見た。 はっ、私の後ろにゾンビがいる!! 私は焦って、振り返る! しかし、後ろには何もいなかった。 私は首を捻りながら、もう一度鏡を見る。 「ん?…あっ」 鏡に映ったゾンビは、私だった。 顔がかなり灰色に、変色している。 「あぁ…、そういや私、机の下に隠れる前に、 そもそもリビングで1回咬まれてたな…」 あぁ…私ゾンビになってたんだ…。 そして、愛する優志を咬んじゃった…。 私は優志の可愛い顔を見つめる。 あぁ…。よだれが止まんない…。 これは愛?欲望?……。 私の体は、優志に近づいていく。 すると、優志の顔も灰色に変色していっているのが分かった。 あぁ…、優志…、怒るかな…。私嫌われるかな…。 ポタ…ポタ…… 優志の顔に、水滴が落ちる。 あぁ…何で、こんな時にもよだれが零れるの…。 ん?違うや…。これ…目から出てる。 涙だ……。 「優志…。さっき私を守ってくれた…。 ありがとう…。愛してる………」
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