女の影と体重戦争

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「ここはどこ?」 暗闇をさまよい、うろうろ歩いていると一筋の光が見えた。 そこまで歩いていくと、そこにはまるで童話に出てきそうな色とりどりの花畑と、赤い煉瓦でつくられたメルヘンな作りの家があった。 「わああーなんて素敵なの??」 わたしは迷うことなく、楽しい気分になって飛び跳ねながら、その家に入った。 家の中は、一つのテーブルに輝かんばかりのサファイヤやオーパールなどの宝石とお茶があった。 その宝石を手に取り、よく見ると砂糖でまぶされていて、柔らかい。 何も考えず口に一口入れると、それはそれは甘くて大変美味しいお菓子で、ダイエットのことなんて忘れて、中身を空っぽにするまで食べつくした。 よく匂いをかぎ、中を歩くと、家の柱は、窓は飴、壁はショートケーキで塗り固められていて、家全てがお菓子でつくられている。 「こ、これは、子どもの時、夢見たお菓子の家!!」 私は感激して、チョコレートでつくられている家の床を手でバキバキ折って食べ、フォークをさして壁を掘るように食べ、時間を忘れて食べつくした。 食べても食べても、私は腹いっぱいにならず、家は不思議と崩れず、無限に出てくるお菓子たち。 「う~ん幸せー!!この家にみんなで一生住みたい!!」
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