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そして、1カ月が過ぎ、運命の体重測定を試みた。
この一カ月睡眠時間は削られ、体が削られそうなほど毎日トレーニングに励み、血のにじむ努力を重ねてきた。
きっと、これで元の体重に戻ったに違いない。いや、そうじゃなきゃやってらんないわよ人生なんて。
私はごくりと唾をのみ、大きなコンクリート壁のように立ちはだかるような気持ちで体重計に足の指を伸ばして、ゆっくり乗った。
結果は…
「53・0キロ!?か、か、かわらない…ッ!!ハッ…ハレー…‥」
魂が抜けたような声と共に、私は表示を見てあまりのショックに気を失った。
「優里さん…優里さん??…大丈夫ですか?しっかりしてください!!」
マネージャ―の声がかすかに聞こえる。
でも、声が出せず、体も動かない。
もう恥ずかしくて、起き上がれないわ。
意識がもうろうとする中、この1カ月の努力が泡となってとけていく情景が目の前に浮かんでいた。
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