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でも、そのうちさっきまで持っていたフォークやお茶は何か小さく感じてきた。
この家も、最初来たときより狭く感じてきた。
まさかと思い、自分を映し出した鏡を見ると、この家の横幅半分くらいを占めるくらいのお腹に膨らみ、顔は大きい風船のように膨れ上がってるじゃないか!!
「キャー!!!!!」
その体を見て、現実を受け入れられず、あまりに怖くなってその場から逃げ去ろうとした。
だけど、私の太った体が邪魔して、ドアから出られない。
「誰か…誰か助けてー!!」
声が野太い声しか出ない。
「そんな…こんな声じゃないのに…」
私は後悔の気持ちでいっぱいになった。
お菓子ばかり食べたばかりに、元の体を失ったばかりか、家に帰ることすらできない。
こんな声になって人気シンガーですって言い張ることもできない。
ここで、こんな体で、美羽にもアサトにも会えず、一人朽ち果ててしまうのか?
「イヤー!!!」
絶望して、泣き叫んだ。
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