呼び名

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 そんなわたしが投檻されたのは何重にも檻が設えられた病院だ。  昔は脳病院と呼ばれたらしい。  壁に穴を穿つのが趣味の入院患者=仮面猿が教えてくれる。  疾患を臓器の故障と考えた場合の呼び名だ。  それが今では精神病院と呼ばれている。  脳上で機能するソフトウェアの故障または不良と考えた場合の呼び名だ。  統合失調症(スキゾフレニア)の場合は器質異常が多いらしい。  だからそれは臓器の病気。  修理するか新しい臓器に取り代えなければ治らない。  だからわたしはあそこにいたのか/あそこにいるのか。  メイラックス/ロフラゼプ酸エチル(細粒1%1g有り、1mg錠、2mg錠)はとてもサラサラした治療薬だが心身症や神経症などにおける不安/緊張/抑鬱などの精神症状の他それに伴う身体症候(緊張型頭痛/頚椎症/高血圧/肩こり/動悸など)やパニック障害/鬱病/自律神経失調症/睡眠障害など精神科以外の内科などでもしばしば処方される薬らしい。  そんなことをいえばリーゼ/クロチアゼパム(顆粒10%1g有り、5mg錠、10mg錠)だってとてもサラサラしているがこちらはチエノジアゼピン系の抗不安薬だ。  リボトリール/クロナゼパム(0・5mg錠、1mg錠、2mg錠)は他の多くの錠剤同様バリバリと噛めるがこれは抗てんかん薬及び筋弛緩薬かつ超強力な抗不安薬だ。  わたしに処方されたそれらと同じ分類に属する薬の残りはあと二つ。  書法ならば以下三つの意味がある。  漢字・仮名などの文字の書き方=筆法。  文章の書き方または文章表現の特徴=文体。  記号などの書き表し方。  これが初報だと初めての報せとなる(笑)。
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