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遠くもあり、近くもある、わたしの出来事の中でも大人数いたはずだ。
百人目から先は数えるのを止めてしまったが。
わたしが自ら永遠に失われたあのときのことを忘れようと必死になって男の上に跨って、男によって呼び覚まされた偽りの官能に声を張り上げたときには犬のように喜んだのに、翌日男が家に帰ってわたしが男の部屋にいると皆困った表情を浮かべる。
それが昂じて、ある場合には裁判所から接近禁止命令が出されたこともある。
わたしの手首は細いラインで一杯だ。
わたしの腕や胸も細いラインで一杯だ。
それでも不思議なもので続くときは結構続く。
続かないときには続かない。
男を救うと称して、わたしから男を引き剥がそうとした男の友だちの多くはわたしの敵だったが、中にはわたしに溺れた者もいる。
それが永遠に続けば良かったのに。
男が同じ血液型だと言ったので、わたしはナイフで、男はわたしの歯で、手の甲を齧って血を出して失血口を合わせて互いに血を混ぜ合わせたので、その男の血の要素の一部は今でもわたしの身体の中を流れている。
免疫細胞に消化されていなければの話だが。
その血が脳に達して、それをわたしが感じて知って天に昇る。
幻想のアンドロギュノスの血が、わたしの気分を高揚させる。
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