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―――夢? 嫌な夢を見て明け方近くにベッドから飛び起きた。 横を見ると腕に抱いて眠っていたりおの姿がない。 胸騒ぎがして玲央を覗くとスヤスヤと温かな眠りについていた。 玲央は無事だ。 だが、りおがいない――― 寝室を飛び出してキッチンに灯りがついているのに気づいてホッと胸を撫で下ろした。 「どうした、りお」 「そう、さん」 「顔色が悪いぞ、何かあったか?」 テーブルにつきイスに座るりおの額にはうっすらと汗が滲んで体が強張って小刻みに震えてた。 「……夢を、見たの」 「夢?」 「とても嫌な、目が覚めてもリアルな感触が……残って、それで」 りおが震える両手を抱え抱き締めた。 透き通る白さの手足が音を立てる。 「……りお、」 「奏さん、わたし」 「どんな夢だ」 「……い、いたくない」 りおの顔は真っ青だった。
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