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震えるりおの頭を引き寄せて胸の中に抱いた。
さっきまでふたりでいることの幸せを噛み締めていたのに怖い夢が夜を引き裂いた。
胸に顔を埋めると俺のシャツをギュッと握ってしがみつく。
怖がり方が尋常じゃない。
「誰もおまえを傷つけさせねえから安心しろ」
「ちが、うの。わたしはどうなってもいいの、奏さんが…」
「俺は大丈夫だ。それに俺は必ずおまえを守る」
「そ、……奏さん」
だから、安心してろ。
夢を怖がり涙目ですがり付くりおには言えなかった。
俺も恐ろしい夢を見ていたなんて―――
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