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始まりは、たまたま聞いた噂。
「なぁ、知ってるか?消えるアパートの噂。」
「アパート?」
「そ。なんでも、一箇所に留まらないアパートらしいぜ。」
「はぁ。」
「俺見たんだけどさ、そのアパートを通り過ぎてまたアパートがあった所に戻ったら、消えてんだよ。アパートが。そしたらアパートが消えたのと同じくらいの時間に、隣のクラスの田中がそのアパートを見たって。」
最初はただ、ありがちな噂だなと思った。
これだけ小さな町だし、そんな噂くらい流れるだろうな、と。
しかし、その噂を聞いたすぐ後。
俺の家が焼けた。
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