生はまこと苛烈に尽きる

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  「……あの、 こんばんは」 あらぬ誤解が 生まれてはいけないので、 一応浅海さんと 目を合わせて ぺこりと挨拶をした。 「あ、 急にすみませんね。 こんばんは、こんばんは。 浅海と申します」 「浅海さん、声大きい。 うるさいですよ」 「うるせ」 親しげなふたりの やりとりにクスッと笑い、 「木枯です」と 名乗っておく。 すると浅海さんに 背を向け、 坂田は済まなさそうに 肩をすくめた。 「じゃあ、 一応まだ勤務中だから…… そろそろ失礼するね、 木枯さん」 「あ、いいのいいの。 こちらこそありがとう」 「こちらこそ、ありがとう。 また高校のみんなと どこか食事でも行こうよ。 俺、機会設けるから」 .
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