19人が本棚に入れています
本棚に追加
闇の中に、ギラつく『目』だけが、
月の明かりを受け光っている、
その蒼い瞳は焦点の合わない目で、月を見ている様だ
格子付きの窓から差す月明かりから今夜は、
満月である事が分かる
?
「あ~腹減ったな…」
牢の中の男は、ボソリと呟く
看守
「おい!出来損ない!」
牢屋の外より異形の看守が、ぶっきらぼうに話掛けた
こいつは、身体は人と変わらないが、
首から上には奇妙な鳥の顔があり、歪な嘴を備えた口で怒鳴りつける
?
「……」
男は無言のまま、視線だけ看守に向ける
看守
「チッ、いけすかねぇ目をしてやがる」
?
「……」
視線を月に戻した男…
男は、始まりを思い起こした。
最初のコメントを投稿しよう!