第1章 始まり

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闇の中に、ギラつく『目』だけが、 月の明かりを受け光っている、 その蒼い瞳は焦点の合わない目で、月を見ている様だ 格子付きの窓から差す月明かりから今夜は、 満月である事が分かる ? 「あ~腹減ったな…」 牢の中の男は、ボソリと呟く 看守 「おい!出来損ない!」 牢屋の外より異形の看守が、ぶっきらぼうに話掛けた こいつは、身体は人と変わらないが、 首から上には奇妙な鳥の顔があり、歪な嘴を備えた口で怒鳴りつける ? 「……」 男は無言のまま、視線だけ看守に向ける 看守 「チッ、いけすかねぇ目をしてやがる」 ? 「……」 視線を月に戻した男… 男は、始まりを思い起こした。
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