第1章 始まり

3/34
前へ
/361ページ
次へ
俺の記憶… 俺は、奴隷として生を受けた 物心が付く前から、この闘技場が生活の場所だった 親は顔すら覚えて無い、そんな事は大した 問題じゃない 一番の問題なのは… 闘技場では、 毎日、毎日、人が死ぬって事だ 毎日、毎日、戦いがある タイマン、団体戦、獣と戦う事も、 珍しくない つまり、死は日常だった… 『何で?死ぬの?』なんて疑問すらない、 聞く余裕なんてものも無いんだが まして幼い俺には、今日の飯は? これ以外の関心なんて有りはしなかった そして、幼い俺の仕事は、闘技場の後片付けだった… 今日の戦いが終わり、明日に備えて闘技場を綺麗にするのだ 豚顔 「おらー餓鬼共ぉ!闘えねぇ、お前達は  せめて闘技場を掃除しろ!」 殴られながら、泣きながら、人だったモノ を片付ける 俺一人じゃあない、同い年位が… 10人一組みのグループに分かれてる 多分、10グループ位あると思う 姿が残っていれば、10人で力を合わて、 奥の部屋に運ぶ… バラバラなら、バケツに入れ運ぶ… 全部が片付けば、お情け程度の飯が貰える カビが生えたパンと何かのスープだ、 喰い終われば、一カ所に集まり寝る その繰り返しだ…
/361ページ

最初のコメントを投稿しよう!

19人が本棚に入れています
本棚に追加