第1章 始まり

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闘士育成はいきなり始まった ミツルギ 「さてまずは、お前達の能力を調べる  一人ずつだ、これに触れてみな」 ミツルギはテーブルの上に水晶玉を置く ミツルギ 「借りモンだからな、壊すんじゃねーぞ」 それぞれが、恐る恐る触れる ミツルギ 「ふん、三人の数値だ  祐介 力 89  速 89  耕介 力 75  速 95  大介 力 99  速 91   最低限だな…」 ミツルギは独り言の様に呟くと、身の丈程も有る両手剣クレイモアを三人投げ渡した ミツルギ 「まあ~初日だからな、まあ軽~く千回だ!」  「「「は?」」」 ミツルギ 「さっさと始めろ~  おら!い~ち、に~  振れと言ってるのが、分からんか?」 戸惑う俺達に次々と躊躇ない蹴りが入る… 義足での一撃は効く、三人とも流血しているがお構い無しだ ミツルギ 「おら!立て!振れ!」 大人用の両手剣は、子供の俺には重い… 重過ぎる… フラつきながらも、 振る 100回 手の豆は簡単に潰れ血が流れる、血で滑りながら 振る 300回 夏の日差しの中で休む事なく、 振る 600 時々、バケツで水をぶっかける 身体を冷やしながら同時に飲みこむ 自分の意識に反し、クレイモアが手からすり抜け地面に落ちる拾いあげて、 振る 800 そっからの、数はもう分からない… おやじさんの合図に合わせ様と振る… 二人はまだ振ってるの…かな… ふと、意識が戻った時… 俺は部屋の中で寝ていた、隣では祐介と耕介が重なる様に寝ていた 大介 「喉が乾いた…」 水を飲もうと、身体を起こそうとすると、 身体中を激痛が襲う 痛みに耐え、ヤカンの口から直接水を飲んだ ふと、両手と頭に、雑に巻かれた包帯に 気付く… 大介 (誰が??) ミツルギ 「おい大介、起きたのか?」 大介 「はっ!驚いたよ…  おやじさんか、俺は喉が乾いて…」 ミツルギ 「そっか、飲んだらさっさと寝ろ」ニヤ 笑うと歯が一本無い事が分かった ミツルギ 「あ、大介よ~」 大介 「なんだい、おやじさん」 ミツルギ 「俺と素振りを初日で達成したのは、今のところお前だけだ… 簡単に死なない様にな~」 大介 「うん、もう寝るよ…」 ミツルギ 「ああ…」 布団に入ると、俺の意識は直ぐに  深い闇に呑まれて行った…
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