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「そう言えば、幽亮さんはどうして幽霊の正体が武夫さんだと分かったんですか?」
「それはね…直也君
君が武夫さんに会ったときに武夫さんは怪しい男と言ったそうだね」
「はい、確か…そうです」
「それはおかしいだろう
僕が誠の話を訊く限り幽霊が男と断定する要素は無かった
それにも関わらず武夫さんは男だと断定していた
だから僕は武夫さんを怪しいと思ったんだ」
「そう言われれば…確かに、そうですね」
「探偵にとっては初歩だよ
しょ、ほ」
「そうですか、因みに幽亮さん?
中学校の時に誠さんと解決した事件の話が聞きたいんですけど
だって探偵の助手として、聞き込みは初歩ですからね」
「それは…、その…」
幽亮さんが口ごもる
「また、今度
いつか、機会があったら話すことにしよう」
「えぇ、そんなのありですかー」
こうして、幽亮さんの謎はまた分からないままになってしまったのだった
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