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プロローグ
光陰矢の如しという言葉が在るように月日が過ぎるのは本当に早いもので
僕、柏木 直也が幽亮さんの探偵事務所に来てから
季節は夏が過ぎ、木々が紅葉色に染まる秋も終わり
もう白く冷たい雪の降る冬へとなっていた
「今日もわざわざ、ご苦労様ね」
そう言って綺麗な女の人が僕に微笑みかける
「いえ、毎度の事ですから」
この綺麗な女の人は菊地 咲京さん
幽亮さんの古くからの知り合いで普段はこのおんぼろビルで占い師をしている
「あら、紅茶のおかわりをどうぞ、もうすぐクッキーも焼き上がるから」
そんな咲京さんが僕のティーカップに紅茶を注ぐ
「そんな、お構い無く」
何故、今の僕が真っ昼間から咲京さんと優雅にお茶をしているのかというと
理由は簡単、幽亮さんから頼まれたお使いの為だ。
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