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「おい、幽亮!
なんか、出たぞ!」
そう言って誠さんが崩した壁の中から出てきたのは金色の丸いもの…
「これは金貨ですか?」
「これが金貨だとしたら
俺が前に海外で見た金貨とはなんか違うデザインだな」
確かに、TVとかでたまには見る海外の金貨となんか違う…
「それは…日本金貨だよ」
「日本金貨?」
幽亮さんが説明する
「日本金貨というのは…
戦後、負けた日本が経済的信頼を得るために造られた日本で唯一の金貨の事だよ
もちろん金貨だからほぼ純金だし
あまり世間に出回っていないから貨幣の歴史的価値と金相場も合わせて考えると見付けたこの量だけでも莫大な価値になるだろうね」
「でも、武夫さんはどうして、財産を探そうと…?」
「それはね、武夫さんはこの財産で会社を立て直そうと考えたんだよ
そうですよね、武夫さん?」
「あぁ、そうだ」
「だったらどうして、俺に一言、言ってくれなかったんだよ」
誠さんが武夫さんに詰め寄る
「財産の額が分からなかったんだ…
もしも、誠君に話して見付けても、額が少なかったら会社は倒産だ
だから、額がはっきりするまでは言えなかったんだ」
「そんな理由でかよ…?」
「そんな理由…というが誠
武夫さんにとっては大切な会社だったんだよ
お祖父さんから受け継いだ、ただ唯一の会社だからね」
「どうして、それを…?」
「少し調べただけですよ、誠のお祖父さんの話が少し気にかかったのでね」
「誠君、君はいいお友達を持っているね…」
「あぁ、叔父さん
確かに、俺もそう思うよ」
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