ナイトメアであってほしい

1/3
3人が本棚に入れています
本棚に追加
/3ページ

ナイトメアであってほしい

「最悪だ……この世の終わりだ……。  私はこんなことを思った日は今日が初めてかもしれない。海外に行くことが決まったのは一年前から学校の行事であると知らされている。私は海外に行きたくないわけではない。また、英語を特化しているここの中学校のことだ。海外旅行なんて言った方が英語を身に付けるのにいいものである。いわゆる、習うより慣れろだ。  じゃあ、そこに行きたくないのか?私が行く場所はニュージーランドでスーツケースに入れてあるガイドブック見るからには自然が豊かな場所である。行きたくない場所ではない。だが、日本から離れたくないという思いはある。  では、何か?それは家を出る時間に戻すことにしよう。  私はニュージーランドへ行くが、もう一人旅行する者がいる。弟だ。彼は明日日本の長野に学校行事でスキーに行くことになっている。問題は彼が持っていくスーツケースと私の物が瓜二つだったことである。玄関の壁を沿うように二つ並べたスーツケースがそこにある。私は前にあるスーツケースを手に持ち、そのまま成田空港へと向かった。  私は飛行機に乗るまでスムーズに行けた。フライトの時間は約11時半から45分かかる。時計の針は8時半。さらにニュージーランドに行く前にオーストラリアの空港に行かないとならない。 「ニュージーランドってキウイっていう金貨の絵になった鳥がいるんだって……」 「私、向こう着いたら何買おうかしら……」 「ニュージーランドって略語でNZって書くらしいよ?」 「ニュージーランドってマリア語話すんだって。英語もだけど……」  周りでそのような言葉がたまに聞こえてくる。私は飛行機が初めてだった。周りの奴らは少し話した後、寝たりぼーっとしたりしていた。私はのんきに前の椅子にくっついているテレビをヘッドフォン付けて眺めていた。  しばらくしてオーストラリアの空港に着いた。成田空港よりも外国人が多かった。  私はそこで乗り換えに時間があるから自動販売機でパンを買おうとする。  お金を入れる。上に上がる棒のようなレールにパンが落ちる。しかし異様な音を立ててそのまま止まった。パンがそのレールに挟まったようである。 「うわー、壊した?」 「あの人に声かければ平気じゃない?」  私は生徒が言っているその人に向かう。見るからに警備員のようだ。
/3ページ

最初のコメントを投稿しよう!