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「男子は起立、女子は椅子の上に膝で立って下さい!」
クラスの風紀委員の小崎(こざき〕さんの雄叫びを合図に、教室全体がダラダラと動き出す。
「私が男子、高河君が女子の確認をします」
小崎さんなら誤魔化せたかもしれないのにぃ。
あー、ついてない。
生徒手帳で叱られちゃうよ。
高河君が女子のチェックを始めた。
「前髪オッケー、スカート丈オッケー、ハンカチ・ティッシュ・生徒手帳オッケー」
生徒たちがザワザワと雑談のする中、高河君は手際よくチェックしていく。
次は、、、私だ。。。
俯く私の目の前に、高河くんの靴が止まる。
「………」
沈黙する高河君の顔を恐る恐る見上げる。
眼鏡が光って、表情が良くわかんない。
「ま、前髪……」
高河君、言葉に詰まってる。
斜めでも、眉毛より上だから、いいでしょっ。
「里田さん、昼休みに、生徒会室に来てください」
それだけ言うと、高河君は次の女子のチェックに移った。
せ、せいとかいしつ?
な、斜めだけれど、眉毛よりは上だぞ。
な、な、斜めがダメって、生徒手帳には書いてないぞ。
あ、高河君、私の生徒手帳チェックするの忘れてる。
ぷちラッキー………なんだけど。
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