第1章

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「あなたまさか」 「非常事態なんだからぼけっとするな!自分の身は自分で守らなくてどうすんだよ!」 こちらの言葉を遮って若い男は怒った。 あ、美丈夫。 あれ、現代風にいうならえーと、あーと。 「・・・あぁ、イケメン」 ドゴッ。 「命の危機に下らねぇこと言ってんなよ」 赤くなった顔をそらしながらイケメンは私の頭を殴った。 「それにしてもなんだってんだよ。天変地異かよ」 壊れていく世界を見ながら、イケメンが呟く。 ごめん。 これ、私のせいだわ。 そして間違いなく【天変地異】です。 「おい、ここもヤバいっぽい。こっちいくぞ」 再び手を捕まれて走らされる。 当たり前だけど、その手が温かいことに驚いた。 「温かいね」 「お前は死んでんじゃないかってくらい冷たいな」 イケメンは言葉を紡ぐ。 「でもさ、俺が温かいのもお前が喋ってんのも、全部生きてるからだ」 だから生き残るぞ!と力強く言った。 なんだろ、胸が苦しい。 ドキドキする。
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