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「ちょっと休憩。このままじゃ疲労で判断ミスしかねないし」
そう言うと彼はできる限り回りに何もない場所を選び腰を落とした。
「あんた名前は?いや、やっぱなし。生き残れたら聞くわ」
イケメンは苦笑いをして、私から目を反らす。
なんとなく仰いだ空にも歪みが見える。
ごめん、名乗る事はなさそうだね。
こんなにもいい人なのに。
こんなにもイケメンなのに。
この世の終わりが近づいてきている。
神様ってほんと残酷だわ。
なんて勿体無いことするのでしょう。
「俺さ、地方から仕事しに来ててさ。兄弟残してきてんの。だからあいつらに顔見せてやって、甘やかしてやんねーと」
イケメンはこんな状況なのに、ケラケラ笑う。
「今のがやんなきゃいけないこと」
「じゃあ、やりたいことって・・・・・・」
そのとき。
突然世界は時間を止めた。
私以外のものは、みな動かなくなった。
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