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母さんがいるとされるキッチンへと足早に案内される。
何で急いでるのかな?
そんなことを考えているとキッチンに着いたようで、着くやいなか青いパーカーの人が騒ぎだした。
「母さん!!」
「何騒いでるのニートって、てる松じゃない!待ってたのよ!」
「先日ぶりです、母さん」
「先日って、叔母さんが死んだ時か?」
「はい、僕が来たのが丁度母さんが着いた時だけだったので」
「そうそう、うちのニート達と行き違いになっちゃったのよね」
「やっぱり、そうだと思いました」
僕が急なシフトで呼ばれた時、行き違いになっちゃったのか。だから会わなかったんだ。
「みんないるの?」
「おそ松兄さんと十四松がまだ」
「またかい」
どうしたんだろう、母さん溜め息ついてる。
「「ただいま~/ただいマッスルマッスル!」」
母さんを気にかけていると、玄関の方から声がした。
あれ、誰かが帰ってきたのかな?
「噂をすればなんとやらっていうからね」
「もしかして、僕の兄さん達?」
「そうだよ。そうだ、うちのニート達を驚かせようか」
そういって何かたくらむような笑みを見せる母さん。怖いよ、だけど面白そう。
「面白そうだね。二人の兄さんは何食わぬ顔で平然と戻ってね?」
少し笑いかけながら言うと二人の兄さんは、ほんのりと顔を赤くさせ戻っていった。
この時二人の兄さんが、僕のことを見て可愛いと思っていたなんて知りもしない話である。
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