この世の終わりに

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(さ、最悪だ、こ、この世の終わりだ、、、) すぐそこまで、お迎えがきている。 体に力が入らない。 俺はなんて、軟弱な男だ。 毎日、毎日 腹筋、腕立て、スクワット。 ウォーキング、ジョギング、スピード、ラーニング、してるのに。 みっちりと、鍛えあげてきた、はずなのに。 大胸筋の役立たずめ。 大殿筋のバカヤロウ。 まったくもって、太刀打ちできない、歯がたたない。 どうやら足にきているようだ。 今、もし、残りの力をふりしぼり、たとえ、立ち上がれたとしても、見るも無惨に、崩れ落ちてしまうだろう。 とにかく、力が入らないのだ。 閻魔がニヤリと手招いている。 木魚がポクポク鳴いている。 いよいよ、読経まで聞こえてきやがった。 だがしかし、しかしだ。 弱さとは、常に己のなかにあるもの。 だとしたら、打ち勝てぬものなどあるはずがない。 そうさ! 今までも、いくつもの逆境を乗り越えてきたじゃないか! ここはひとまず涙をふいて。 閻魔よ!刮目せよ! これが、オラの、フルパワー!! 自信をもつんだ!俺! さあ!俺の出番だ! 立ち上がれ! 立ち上がれよ!、、、俺! そして突き進め! 今、俺がやらなくて誰がやる!? ご焼香。 痺れた足をひきずって いざゆかん! 焼香台へ! レッツファイティン!
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