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自室に着いた真琴は、早々と着替えてベッドに横になった。
再度、染谷から聞いた話を反芻してみるが、疑問ばかりが浮かんで混乱を覚えてしまう。
今日聞いた話を思い出すと同時に、勇仁が部屋を出て行ったあの日の疑問も浮かんできた。
砂川を彼女と勘違いした勇仁は、何故あんなに怒ったのか未だに分からない。
それに、怒ったのなら手が出たりする筈なのに、勇仁は真琴を口でイかせただけだった。
思いだすと顔から火が出そうになった。
あの日の事を考えると、直前にされた行為の事も思いだして考える所じゃなくなるので、極力考えない様にしていた。
それでも、染谷と話してやっぱりうやむやにしてはいけないと思った。
あの日の事を含めて、ちゃんと勇仁とぶつかって話し合う。それが真琴にとって必要な事だ。
それをする為には、真琴は勇仁から何を聞きたいのか、少し整理させる必要があると思った。
ここまでの決心するに至ったのは、勇仁との関係が元に戻るなら戻したいと思ったからだ。ただ、それは理由の一つに過ぎないのだが。
勇仁と向き合いたいと思う理由になったもう一つは、真琴の頭を悩ませ続けている出来事にあった。
それが勇仁と会って話した所で解消出来ると期待していないが、多少は緩和するのではないかと思っている。
その出来事というのは……あの日、勇仁に口でされた感触が忘れられず、ベッドに横になった時にふと思い出してしまうのだ。
毎日ではないが、たまに思い出して身体が熱くなって反応してしまう。
「んっ……」
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